*映画『オーガズミックバース』の感想*

こんにちは。産後プランニングサービス株式会社のスタッフ徳井です。
ブログの更新が滞ってしまっていました…

今回は当社のうみそだて大学で開催中の映画『オーガズミックバース』の感想をお伝えしたいと思います!

 

 

 

 

 

 

【“本当に気持ちいいお産”って?】
この映画は実在の7組のカップルのお産をドキュメンタリー映画にし、専門家たちのコメントも混ぜながら「理想の気持ちよいお産には何が必要か?」を考えるものです。
この映画を監督したのはデボラ・パスカリ・ボナロさん。アメリカ在住のドゥーラであり、ドゥーラの存在意義を広く知らしめるための活動を精力的におこなっていらっしゃいます。
弊社の赤星も大ファンで、デボラさんが過去2回、来日されて日本でのドゥーラのワークショップを開かれた際には必ず参加しています。
そんなカリスマドゥーラのようなデボラさんが映画で伝えたいと思った「気持ちいいお産」ってどんなもの?自分が経験した「痛い」(と思っていた)出産とどう違うの? 純粋にその内容を知りたいと思いました。

 

【衝撃的な出産シーン】
‥‥といっても、全然危険な出産ではありません。何が衝撃的かというと、そのシチュエーションです。自宅の明るい庭で、バルコニーで、使い慣れたシャワー室で、愛するパートナーや信頼できる助産師や友人の励ましを受けながらの出産。
ほとんどの産婦はほぼ裸ですが、恥ずかしさというよりは、解放された、野性的な本能に戻った自分と向き合い、出産に集中するさまは人間もひとつの種族の動物なのだと再認識するようなたくましさと美しさに圧倒され、その出産に見入ってしまいました。

苦しい体勢や無理ないきみとは無縁で、自然な痛みの流れにパートナーと一緒に身を委ね、陣痛の痛みを上手く逃し、和らげる。無痛と言い切れるわけではないだろうけれど、多くは苦しいという空気は感じられない出産シーンでした。

 

「出産=病院」という短絡的な考えしかもっていなかった自分は、助産院で産む、または助産師さんの力を借りて自宅で産むという選択肢を思いつきもしませんでした。この思い込みはいつからだったのだろうかと思うくらいに。助産師ではいざという時心配、病院なら安心という先入観がありました。なぜこんなに病院出産が当たり前になっているのでしょうか。

確かに、難しい出産も数多くあり、医療の助けなしには母子ともに助からない場合もあります。医療介入が必要なお産もたくさんあることは事実。
ただ、ほとんどの順調な出産では、医療の介入はなくてもいい場合が多いのです。

医療介入の要らないお産とは、母親と赤ちゃんが協力してタイミングをはかりながら、お産がラクになるようなホルモンを最大限引き出しつつ、スムーズな娩出を可能にするお産で、会陰切開すら不要です。実際、自分の2人目の出産のときは、医者って要るの?というくらい最後の会陰切開しかお医者さんの処置はありませんでした。

 

【気持ちいいお産に必要なもの】
医師がいるから安心。本当にそうなのでしょうか。自宅出産では医師のかわりに、妊娠中も、陣痛の始まりからもずっと支えてくれるパートナーの絶大な存在感が、産婦に圧倒的な安心感を与えてリラックスさせ、出産をフォローしているのだと思いました。ただカメラを構え、眺めている「立会い」ではなく、常に身体を密着させ、陣痛時は呼吸を合わせ、腰を圧迫して痛みを逃してやる、本当に「一緒に産む」感覚で行動してくれるパートナー。
こんなパートナーならその後もずっと助け合い、寄り添えると確信できるような羨ましいほどの愛情に満ちているカップルばかりでした。(時間が戻せるなら夫と一緒に勉強して出産をやり直してみたい!と思えるほどの。)
お産に対する知識を一緒に出産クラスで勉強し、慣れた自宅で、一番そばに愛する人がいる状況で陣痛の波を乗り越える。信頼できる助産師に身をゆだねて、赤ちゃんの出てくる意思とタイミングを待つ出産。映画に登場するカップルたちのように、焦りや緊張のない、リラックスした空気の中での出産を体験してみたい、と思わずにいられませんでした。

 

【より多くの人に、出産の神秘や自然分娩の豊かさを認識してほしい】
この映画は、出産前の女性やご夫婦、医療関係者に観てほしいのはもちろん、できることなら、性教育の一環として多くの子どもたち、学生から見てほしいと個人的には思いました。
この世に生を受けるということは、こんなに父母の愛情とパワーを受けて生まれたということをダイレクトに感じられるからです。刺激が強いといわれるのであれば、よっぽど性暴力のシーンが断片的に垂れ流されているYouTubeやネットの画像のほうが問題あるでしょう。若い人たちが『オーガズミックバース』を見ることで、生命の神秘、人を愛すること、愛情を表現する素敵さを実感できたら、もっとお互いの身体の大切さを思いやる気持ちが育つ気がしました。

 

最後に、この映画を観て、これから自分の選択した出産方法が病院出産であるとしても、不安になる必要はまったくありません。
日本では、こういった開放的な出産を体験したくても、なかなかその選択に辿り着く前の障害が心理的にも環境的にも大きいように思います。

いちばん大事なのは、自分が選択した出産に主体的に関わり、積極的にリラックスできる方法を自分で探し、怖れずに、一緒に頑張っている赤ちゃんを思いながら産もうとする意志を強く持つことだと思います。病院出産であっても、納得した気持ちよいお産を経験している人ももちろんいるのです。
考え方ひとつで出産に臨む気持ちや姿勢が変わっていける、素晴らしい映画だと思いました。